オオイヌノフグリ

自分が何者であるかということと、
人になんと呼ばれるかということ――

そのどちらが大切なのかという、僕のハンドルネームの話です。


 唐突ですが、僕は花ではオオイヌノフグリが一番好きです。まだ寒い春のいちばん初めに咲く、あの小さな青い花です。

 寒風の中、路傍に咲いたその花を見つけると、陽射しが暖かくなったことに気がついて、春の訪れを感じることができます。まだ新緑も少ない地面にのぞく、目が醒めるような青色は、冬の憂鬱が終わったことを教えてくれます。春が始まりの季節なら、この花は僕たちに、その年の初めの喜びをもたらしてくれます。
 そして、たくましい花です。先駆けることとは荒ぶ寒風に身をさらすことです。この花は荒れ地やあぜ道に咲き、踏まれても枯れず、他の野草が芽吹く前から力強く繁ります。それは優しい強さの象徴であるように僕は思います。
 花言葉は「誠実」「信頼」です。ささやかに在り、決して主張しすぎず、それでも一度気がつけば大切なものとして心に残る、この花の美徳だと思います。

 しかし、僕がこの花が好きである一番の理由は、その与えられた名前だからです。

 オオイヌノフグリは「大犬の陰嚢」です。花ではなく、実の形状が似ていることが由来です。しかもそれは「イヌノフグリ」という別の花のことで、その近縁でやや大きかったという理由で同じ名を与えられた次第とのことです。
 それは、命名者が何を本質だと見なしたかという事です。早春に咲く青い花よりも、その後に育つ実に注目したということですし、その花自身よりも類縁の者との関係を重視したということです。

 それでもオオイヌノフグリは変わらず咲き続けます。だから、僕はこの花が好きです。
 ヒトにどのような名前を与えられようとも、その花自身にとっては些細なことであるはずです。彼にとっての関心事は、めぐる春のたびに力強く咲いて実を結ぶことだけだろうからです。
 そして、その花が人に与える喜びも変わらないはずです。早春の日だまりに輝く青は、与えられた名によっていささかも翳るものではありません。心ある人は、陰嚢という名前に惑わされず、花の美しさを素直に愛でてくれるでしょう。

 願わくば、僕は生きる強さを持ち、そして人にささやかな喜びを与えられる人間でありたいと思います。そして、その望みを忘れない限りにおいて、他人から下される評価や評判には心を強く持ちたいと願います。
 そんな思いを込めて、この花の英名“Bird's eye”を自分のハンドルネームに借りました。

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この記事へのコメント

アイスゆず
2007年12月01日 19:35
こんばんは。
私は英語がダメなので、勝手に「鳥瞰」のような意味だと思っていました。そして、いつも上の方にいて下界には下りてこない、というイメージを持っていました。でも、私が持ってたつまらない思い込みが吹き飛んでしまいました。
birds-eye
2007年12月01日 22:32
 コメントありがとうございます。
 やっぱり、そういう印象になりますか。実は危惧していました。花の英名なんて、僕も辞書をわざわざ調べました。知ってる人の方が少ないですよ。(※男のくせに花の名をHNにしているとは思われたくないのでそれでいいのです 笑)
 ですが僕の意図とは別に、言葉自体に「鳥瞰」という意味があるのも事実で、その点では大当たりです。
 たぶん僕でも同じ印象を持つだろうなと思うので、人さまのブログで議論をふっかけるときは気をつけようと思いました。それでもHNを変えようと思わないあたりが度し難いのですが、どうか一つご容赦を。
アイスゆず
2007年12月02日 15:31
ごめんなさい。
 m(_ _)m 
私の持っていたイメージと違って、実際は深い意味があるのだと教えて頂いて、目が覚めたような思いだったとお話したかったのですが、今自分のコメントを読み返してみると、失礼だと思います。
... orz
birds-eye
2007年12月02日 19:48
 あ、こちらこそ申し訳ありません。アイスゆずさんのおっしゃることは了解した上でのコメントでした。
 ついでなので補足すると、僕はけっこう傲慢なのです(笑) ネット上では記事とコメントの本文がブロガーとしての自分の全てで、他のものはどうでもいいと。だから、HNにしても、誤解を与えるだろうなーとは思いつつも気にしてない、みたいな感じです。
 でも、記事を読んだ人がもし「こんな事を書くやつはどんなやつなんだろう」という事に興味を持ってくれたなら、その時はじめて、いろいろな誤解も解いてもらえたらうれしいな、と思うのです。それでときどきこんな記事も書いたりするのです。
 だから、まあこんな事を語らせていただく機会にもなったことですし、どうかお気になさらないでくださいね。
アイスゆず
2007年12月02日 22:36
決して、決して傲慢などと思ったことないです。
本当です!

ああ・・・言葉って難しい
修行して、出直してまいります。
orz
birds-eye
2007年12月03日 21:07
 あ~あ~、僕もアイスゆずさんがそんなことを思っていらっしゃるとはつゆほどにも考えてなかったのですが… 誤解を与えてしまいました。本当に、難しいですね。
 でも、言葉は難しいですが、いろいろ心配して萎縮するより、言ってから伝わらなかったことを補足するほうが僕は好ましいと思います。相手がどう受け取るかなんて、言ってみるまで分からないのですから。
 だから、お互い深く考えるのはナシの方向でどうでしょう?
アイスゆず
2007年12月04日 00:49
分かりました。^^
ありがとうございます。

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