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医者と市民の間の溝には、こんなものもあると思います。 さて、どうやって埋めたものでしょうか?
先日の記事で、「医師と刑罰を適用するな」という僕の主張についてkusukusuさんからとても鋭いご指摘をいただきました。それを、今日ご紹介しようと考えていました。 その矢先、別のところでタイムリーな記事を拝読しました。(後でご紹介します) せっかくなので、今回の記事では問題提起をしてみたいと思います。 幸い、このブログにはいろいろな立場やお考えの方が来ておられます。 なので、これから提起する問題には賛否両論あると思います。 でも、理解できないまま物別れに終わるよりは、どのあたりに「見解の相違」があるのか、はっきりさせてみるとおもしろいと思うのです。 その方が、問題に対する理解が深まり、豊かな議論になると思います。 なので今回は、僕個人の考えはできるだけ表に出さないように努めたいと思います。 こちらを読まれる皆さまには、ぜひおつきあいいただければ幸いです。 当ブログは来訪者同士の議論も歓迎してます。「自由な討論」に憧れる(笑)管理人です。 場末の弱小ブログ(笑)でマナーの悪い人もいないと思うので、気軽に参加できる雰囲気になるといいなあ、と思ったりします。 それでは、始めます。 まず、お題は 「不適切な医療行為があった場合、 医師に刑事罰を科すべきかどうか?」 です。 刑事罰というと、主に業務上過失致死傷罪ですね。 「行政処分」や「民事訴訟」では不足で、≪犯罪≫として≪刑務所≫に入れなきゃダメなのか? という認識でよいかと思います。 不適切な医療行為については、 「何」が「どこまで」不適切なのか? というのを決めないと、議論になりませんね。 いまはまあ、それを頭の隅に置いておいて、続きを読んでいただければと思います。 さて、それでは僕が最近拝読した、議論のタネに面白そうな記事です。 (興味深い問題提起を行っている、という意味ですよ) 医療者のかたが首肯する傍ら、一般の方は「えっ!?」と思われるのではないでしょうか? こちら。 『業務上過失致死を使うべきではない』 ある町医者の診療日記 元になったニュースはこちら、 『麻酔薬を誤って投与、患者が死亡 福岡市の病院』 朝日新聞 2008.02.27 (Web魚拓) 「薬と間違えて、麻酔薬を点滴してしまい、患者が死亡した」というものです。 こちらのブログ記事から、僕の視点からいくつか論点を要約・抜粋させていただきたいと思います。 (これは偏りを生じるので、ぜひ元記事もお読みください) ●まず、「医療ミス」と呼ばれるものには二種類ある。 @治療方針の選択が、あとから考えて不適切だったもの。 A今回のニュースのような、作業のミス ●@は法的な意味でのミスではない。 Aは法的な意味でのミス(過失)だ。 ●しかし、@はもちろんのこと、Aでも医療者に過失致死傷罪が適用されてはならない。 ●事故が起きるのにはシステム的な要因が大きく、個人を罰することでは解決しないから。 僕の言葉でまとめさせていただきましたが、おおむねこんな所だと思います。 ここで、次はkusukusuさんから、当ブログの記事『不適切な医療行為について、医師の方が考えること』にいただいたコメントを紹介させていただきたいと思います。 こちらは、当ブログのコメント欄が狭く読みづらいので、そのまま全文をこちらに引用させていただきます。 要約しようにも削るところがない、充実したご意見です。 言わんとすることはわかりますが、全体に主張が医者よりに偏り過ぎているような気はします。 一般の方の考えを代弁して下さるものとして、とても説得力があるものだと思います。 それでは、このような二つの主張は、どのような点で見解が相違しているのでしょうか? そしてそれは、どのように解決されるべきなのでしょうか? もちろんさまざまな見方もあるかと思いますが、僕は次のような点がそうだと思いました。 最後、これを問題提起として投げます。 皆さまはどうお考えでしょうか? ●刑事訴訟の手続きは医療問題の解決に 有意義だ: 市民の不信感を取り去ることができる。 有意義でない: 医療現場の根本的な問題を改善しない ●医療行為への刑事罰の適用に関して 「治療方針の選択ミス」にまで適用すべき 「作業のミス」にだけ適用すべき 極例外的な事例を除いて、適用すべきでない ●刑事訴訟で訴えられても、悪くない医療者は 守られる: しっかりとし訴訟で「無罪」を勝ち取るよう努めるべき 守られない ●医師を守るためと言って、刑事責任を免除するのは 行きすぎだ: 医療への不信感を増大させる 行きすぎでない: 医療問題の根本解決のためには不可欠だ ●医師の中での検証など、刑事訴訟でない問題検証は 有効でない: 市民の不信をぬぐえない 有効だ: ●結局のところ、医療問題の検証に必要な手続きは 刑事的な追究 民事的な紛争解決 裁判制度に頼らない、紛争解決 医師による自浄制度 (航空機事故のような)事故調査制度 その他 ※複数選択可 ※現制度を改善して活用するなら、それは?
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
「不適切な医療行為」をしているのに刑事罰を科されないのはおかしい?
私のブログのエントリー 業務上過失致死を使うべきではないにトラックバックしていただき、ご自分のブログで考察を行っておられるかたがおられます。 ...続きを見る |
ある町医者の診療日記 2008/03/05 20:22 |
「医師の診療行為については刑事責任を追及しない」という考えになぜ反対なのか?
「白鳥一声」さんのブログの、 ...続きを見る |
地球が回ればフィルムも回る 2008/03/07 15:46 |
肝炎協議打ち切り・与野党協議会解散・「与党の意思統一」出来ず。 (家西悟参議院議員のメモと、かんすけ...
かんすけさんが、肝炎治療の助成についての協議が「与党の意思統一ができずに」打ち切りになったという記事を書いて伝えてくださいました&... ...続きを見る |
村野瀬玲奈の秘書課広報室 2008/04/07 21:20 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
最近思うのですが、結局この問題は議論して落しどころを決める問題ではなく、ある種の需給関係でどこまで刑事責任を問うか(あるいは刑事免責か)が決まるのだと思います。供給者が「理不尽だ、それではやってられない」と思えば、供給はストップするし、そうした商品は無くなるのです。医療も例外ではありません。 |
元ライダー 2008/03/04 21:31 |
事故調査委員会をつくってそこが調査してから検察に告発するかどうかを決めたほうがいいと思いますね。 |
刻廉 2008/03/04 22:34 |
このエントリの基本的なアプローチは、「医師が責任を負う範囲はどの程度か」(民事・刑事問わず)というものだと思われます。 |
IZW134 URL 2008/03/05 14:26 |
他方、kusukusuさんの提言も手続の観点を入れると実は難しいものです。 |
IZW134 URL 2008/03/05 14:28 |
なお、このような構造的偏りは民事訴訟についてはありません。 |
IZW134 URL 2008/03/05 14:28 |
これまでのところ、大変有意義なコメントの数々、皆さまありがとうございますm(_ _)m |
birds-eye 2008/03/05 21:34 |
すみません、誤字ありました。 |
birds-eye 2008/03/05 21:39 |
わざわざ記事にして頂き、有難うございます。 |
kusukusu URL 2008/03/05 22:50 |
>kusukusuさん |
birds-eye 2008/03/05 22:59 |
いつもブログを興味深く拝見させて頂いております。 |
大豪寺 2008/03/06 11:22 |
他のサービス業のように必ず対価に沿った物が受けられるとは限らないのが医療なのです。つまり、病院にいって治療を受けても、必ずしも治るとは限らない、治ったらラッキーという心構えが必要でしょうか。一方、日本の医療費というのは非常に安く設定されています。一般の方々が望む結果、治療体制を万全にするなら少なくとも現在の10倍は医療費が必要と言われています。皆さんは安くてもそれなりの医療がいいですか、高くても万全の医療のどちらを選びますか?一度、是非とも聞いてみたいものです。ところで余談ですが昨年知り合いがハワイに旅行に行った時運悪く脳出血を起こし、そこで治療を受けましたが、2週間の入院費、手術費全て合わせて1200万円請求されたそうです。恐るべしアメリカ医療! |
大豪寺 2008/03/06 11:23 |
「医師2人を書類送検 へんとう炎の患者死なせる」 |
町医者 2008/03/07 12:29 |
返信は長くなったので、記事にしてトラックバックさせて頂きました。 |
kusukusu URL 2008/03/07 15:48 |
URLさんのブログを読ませていただきました。以下、私が思ったことを書きます。 |
町医者 2008/03/07 18:49 |
医療行為の正しさは、なんとか委員会とかいうのも含め裁判や会議で決まるものではないです。また決めるものでもないです。 |
町医者 2008/03/07 18:51 |
返信、ありがとうございます。 |
kusukusu URL 2008/03/07 19:32 |
私は医療行為ではないと思っていますが(先に書いたように強い違和感を持ってます)、医療行為だと思って尊厳死させている医師もいるかもしれません。 |
町医者 2008/03/07 20:11 |
ちょっと訂正しておきます。 |
町医者 2008/03/07 20:26 |
みなさま、ご意見本当にありがとうございました。 |
birds-eye 2008/03/09 23:02 |
>kusukusuさん、町医者さん |
birds-eye 2008/03/09 23:03 |
尊厳死について誤解がありそうですので、以下wikipedia から抜粋。 |
imo 2008/03/10 17:14 |
imoさん、ご指摘深くお礼申し上げます。 |
birds-eye 2008/03/10 22:15 |
たまたま本ブログを拝見したのですが、私は「医師に刑事罰を適用するな」というご主張には非常に違和感を感じました。「医療行為」は非常に不確実な要素が多く、(医療において悪い結果というと人の死という重大な結果につながることが多く判断にバイアスがかかりやすいので)結果が悪かったからといって後付けで安易に非難をするべきでない(刑法で裁くのは抑制的であるべき)、とか、判断には高度な専門性が要求されるので医療事件について特別に専門知識を持つ裁判官だけに裁判を担当させるべき(その観点からは、むしろ警察や検察の方がそういった体制が必要かもしれませんが)、というのであれば、理解できるのですが、一足飛びに、「医師に刑事罰を適用するな」という主張がでてくるのは、正直、発想として理解できません。どのような業務に関するどのような立場の行為であれ、刑法に反する行為であれば、刑罰が科せられるのは当然なのであって、この世に専門的で専門家にしか理解できない、あるいは専門家ですら確実な判断などできない分野や業務はあまたある中でなぜ医療だけ例外にしなければならないのか理由がわからない(説明がつかない)と感じました。 |
らくちん翁 2008/04/22 00:36 |
(上の続きです)無論、裁判官は医療について「ど素人」であるのは多くの場合、そのとおりだと思いますし、そういう「ど素人」に裁かれることへの怒りというのはある程度理解できます。ただ、それは正直「医療」に限った話ではなく、専門的な分野や業務については基本的に全て当てはまることであり、制度的にははっきり言うとしょうがない点だと思います(もっともそれを補うために専門家の証言や鑑定書等があるのだと思います)。 また、刑事訴訟の手続は医療問題の解決に有意義だ、有意義でないというのも問題の立て方としておかしいのであって、刑事手続は別にそのようなことを目的としてなされるものではなく、罪には適正な罰をという、それだけの目的のものだと思います。したがって、刑事罰を課しても医療現場の問題を根本的に改善することにはならない、のは当たり前で、そもそも刑事手続にそのようなことを求めることが間違いであって、刑事手続の有無とは関係なく、ミスがあったならば、その疑問を解明し、同じミスをしないようにシステムを改良するよう努めていく必要があるのは当然のことだと思います。(すいません。まだ続きます) |
らくちん翁 2008/04/22 00:38 |
(上の続きです。)町医者さんの言うような業務上過失致死罪が適用されると同じミスを繰り返すことになるというのはなんら根拠がない(個人の責任にして構造的問題の解決が図られない体質ならば問題があるのはその体質であって刑事罰が課されるかどうかとは無関係−むしろ、システムの障害になるものがあるとすれば、そういった裁判になった問題やその結果に対するマスコミの不正確な報道や問題に対する無知・過剰な対応等がシステムの改良の障害になるのではないか)と思います。ただ、私は個々の医療裁判について判決を読んだことはなく、その結論がおかしいかどうか判断できるものではないのですが(その時点でこの問題にコメントする資格はないかもしれませんが)、医療関係者が専門的知見から見ておかしなことを言っている(あるいは医師に対する過剰な要求が前提となっている)判決があるならば批判・非難がされるのはそれもまた当然のことだとは思います。長文失礼しました。 |
らくちん翁 2008/04/22 00:41 |
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