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zoom RSS 問題提起: 医療者の過失と刑罰

<<   作成日時 : 2008/03/04 00:10   >>

驚いた ブログ気持玉 9 / トラックバック 3 / コメント 25

医者と市民の間の溝には、こんなものもあると思います。
さて、どうやって埋めたものでしょうか?

 先日の記事で、「医師と刑罰を適用するな」という僕の主張についてkusukusuさんからとても鋭いご指摘をいただきました。それを、今日ご紹介しようと考えていました。
 その矢先、別のところでタイムリーな記事を拝読しました。(後でご紹介します)

 せっかくなので、今回の記事では問題提起をしてみたいと思います。

 幸い、このブログにはいろいろな立場やお考えの方が来ておられます。
 なので、これから提起する問題には賛否両論あると思います。

 でも、理解できないまま物別れに終わるよりは、どのあたりに「見解の相違」があるのか、はっきりさせてみるとおもしろいと思うのです。
 その方が、問題に対する理解が深まり、豊かな議論になると思います。

 なので今回は、僕個人の考えはできるだけ表に出さないように努めたいと思います。

 こちらを読まれる皆さまには、ぜひおつきあいいただければ幸いです。
 当ブログは来訪者同士の議論も歓迎してます。「自由な討論」に憧れる(笑)管理人です。
 場末の弱小ブログ(笑)でマナーの悪い人もいないと思うので、気軽に参加できる雰囲気になるといいなあ、と思ったりします。

 それでは、始めます。

◆ ◆ ◆

 まず、お題は

 「不適切な医療行為があった場合、
  医師に刑事罰を科すべきかどうか?」


 です。

 刑事罰というと、主に業務上過失致死傷罪ですね。
 「行政処分」や「民事訴訟」では不足で、≪犯罪≫として≪刑務所≫に入れなきゃダメなのか?
 という認識でよいかと思います。

 不適切な医療行為については、
   「何」「どこまで」不適切なのか?
 というのを決めないと、議論になりませんね。
 いまはまあ、それを頭の隅に置いておいて、続きを読んでいただければと思います。

◆ ◆ ◆

 さて、それでは僕が最近拝読した、議論のタネに面白そうな記事です。
 (興味深い問題提起を行っている、という意味ですよ)

 医療者のかたが首肯する傍ら、一般の方は「えっ!?」と思われるのではないでしょうか?

 こちら。
  『業務上過失致死を使うべきではない』
   ある町医者の診療日記


 元になったニュースはこちら、
  『麻酔薬を誤って投与、患者が死亡 福岡市の病院』
   朝日新聞 2008.02.27
 (Web魚拓
 「薬と間違えて、麻酔薬を点滴してしまい、患者が死亡した」というものです。

 こちらのブログ記事から、僕の視点からいくつか論点を要約・抜粋させていただきたいと思います。
 (これは偏りを生じるので、ぜひ元記事もお読みください)

 ●まず、「医療ミス」と呼ばれるものには二種類ある
  @治療方針の選択が、あとから考えて不適切だったもの。
  A今回のニュースのような、作業のミス

 ●@は法的な意味でのミスではない。
  Aは法的な意味でのミス(過失)だ。

 ●しかし、@はもちろんのこと、Aでも医療者に過失致死傷罪が適用されてはならない

 ●事故が起きるのにはシステム的な要因が大きく、個人を罰することでは解決しないから。

 僕の言葉でまとめさせていただきましたが、おおむねこんな所だと思います。

◆ ◆ ◆

 ここで、次はkusukusuさんから、当ブログの記事『不適切な医療行為について、医師の方が考えること』にいただいたコメントを紹介させていただきたいと思います。

 こちらは、当ブログのコメント欄が狭く読みづらいので、そのまま全文をこちらに引用させていただきます。
 要約しようにも削るところがない、充実したご意見です。
言わんとすることはわかりますが、全体に主張が医者よりに偏り過ぎているような気はします。
「医師の診療行為については、刑事責任を追及しない」ということになると、結局、医者は妥当でない医療をしているのに刑事責任を追及されないでいるのではないか?という不信感を人々が抱くことになり、ますます医療と医者に対する不信感をつのらせていき、結果として医者と人々(患者)の間の溝がますます深まっていくことにならないでしょうか?
現状でも医者に対して人々が不信感を抱いている面はあるように思います。それを晴らしていくには、ある程度、きちんと訴訟で戦い、「これは無罪」という例を示すことを積み重ねていくことでしか、成し遂げられないのではないでしょうか?
実際に、医者に責任はなかったのに訴訟になっている場合はあるかもしれませんが、しかしだからこそしっかりと訴訟で「無罪」という判決を勝ち取っていくように努めるしかないように思います。

医者が過度に責任追及されていることがあるからといって、医師の診療行為については、刑事責任を追及しないという制度をもうけたり、医者側からのみ判断できるような制度をもうけたりしても、医者に対する人々の不信感は解消されず、むしろ、ますます増すことになるから悪循環です。

もちろん、人々や患者側が抱いている医者に対する不信感も、見当違いなものであったり誤解であったりすることもあるかとは考えられますが、そうした不信感を解いて行くには、訴訟を含めて、相互が議論、コミュニケーションを重ね、医者が無罪の判決を勝ち取ることを積み重ねていくしかないように僕は思うのです。(理想論すぎるかもしれないけど、訴訟が不毛な戦いではなくコミュニケーションをするきっかけのようなものとして機能するといいと思うのですが。)訴訟自体がなくなったらそうした不信感を解くこともできなくなってしまうのではないでしょうか?


 一般の方の考えを代弁して下さるものとして、とても説得力があるものだと思います。

◆ ◆ ◆

 それでは、このような二つの主張は、どのような点で見解が相違しているのでしょうか?
 そしてそれは、どのように解決されるべきなのでしょうか?

 もちろんさまざまな見方もあるかと思いますが、僕は次のような点がそうだと思いました。
 最後、これを問題提起として投げます。
 皆さまはどうお考えでしょうか?

 ●刑事訴訟の手続きは医療問題の解決に
  有意義だ: 市民の不信感を取り去ることができる。
  有意義でない: 医療現場の根本的な問題を改善しない

 ●医療行為への刑事罰の適用に関して
  「治療方針の選択ミス」にまで適用すべき
  「作業のミス」にだけ適用すべき
  極例外的な事例を除いて、適用すべきでない

 ●刑事訴訟で訴えられても、悪くない医療者は
  守られる: しっかりとし訴訟で「無罪」を勝ち取るよう努めるべき
  守られない

 ●医師を守るためと言って、刑事責任を免除するのは
  行きすぎだ: 医療への不信感を増大させる
  行きすぎでない: 医療問題の根本解決のためには不可欠だ

 ●医師の中での検証など、刑事訴訟でない問題検証は
  有効でない: 市民の不信をぬぐえない
  有効だ:

 ●結局のところ、医療問題の検証に必要な手続きは
  刑事的な追究
  民事的な紛争解決
  裁判制度に頼らない、紛争解決
  医師による自浄制度
  (航空機事故のような)事故調査制度
  その他
   ※複数選択可
   ※現制度を改善して活用するなら、それは?

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コメント(25件)

内 容 ニックネーム/日時
最近思うのですが、結局この問題は議論して落しどころを決める問題ではなく、ある種の需給関係でどこまで刑事責任を問うか(あるいは刑事免責か)が決まるのだと思います。供給者が「理不尽だ、それではやってられない」と思えば、供給はストップするし、そうした商品は無くなるのです。医療も例外ではありません。
トラック運転手も業過を犯す可能性は常にあるのに「理不尽だ、それではやってられない」という声は聞かれません。たぶんトラック運転手には業過の類型がある程度予測でき、自分が業過で裁かれる姿を想像しても理不尽だと思わないのでしょう。しかし医師は理不尽だと感じます。医療行為において業過の具体的類型が予測できないからです。理不尽と感じるかどうか、これはその職の一方的な見解により決まりますし、それは不当なことではありません。需要者が口出しできるものでもありません。
元ライダー
2008/03/04 21:31
事故調査委員会をつくってそこが調査してから検察に告発するかどうかを決めたほうがいいと思いますね。
刻廉
2008/03/04 22:34
このエントリの基本的なアプローチは、「医師が責任を負う範囲はどの程度か」(民事・刑事問わず)というものだと思われます。
しかし、お医者さんのブログを巡回していて読み取れるのは、「訴訟に巻き込まれること自体、困る」という感覚です。
(法律家は前者を「実体」の問題、後者を「手続」の問題として把握します。)
手続上の問題を射程に入れないと、多くの医師の実感とずれた考察になってしまうのではないかと思います。
IZW134
URL
2008/03/05 14:26
他方、kusukusuさんの提言も手続の観点を入れると実は難しいものです。
と言うのも、少なくとも刑事の領域については、「無罪判決を勝ち取っていく」というのは構造上困難だからです。
日本の有罪率が高いのはよく知られていると思いますが、これは検察官が起訴するかしないかの裁量を持っていることから(起訴便宜主義、刑事訴訟法248条)、有罪になりそうな事件を選別して起訴し、無罪になる虞のある事件の起訴を控える実務が定着しているからです。
従って、裁判に出てくるのは被告人側(ここでは医師側)に不利な事件類型ばかりで、「無罪になってしかるべき」類型は出てこない、ということになります。
IZW134
URL
2008/03/05 14:28
なお、このような構造的偏りは民事訴訟についてはありません。
むしろ皆無というよりは、原告側(患者側)不利な偏りがあると言えるかも知れません(参照:http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_9f18.html)。
実際、医療過誤訴訟は一般の民事事件よりも原告敗訴率が高いと言われています。(但し、このことがもたらすさらなるバイアスに付き、参照:http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080212)

なお、kusukusuさんの、実体的基準を明確化していくべきだというより一般的な提言自体については賛成します。訴訟一般についても、実体的基準が明確になることで紛争解決が容易になる(=手続上のコストが下がる)との指摘があります。
IZW134
URL
2008/03/05 14:28
 これまでのところ、大変有意義なコメントの数々、皆さまありがとうございますm(_ _)m
 この記事はもうしばらくコメント欄の様子を見て、後日改めて皆さまの記事を取り上げたいと考えています。

 トラックバックくださっている「ある町医者の診療日記」さんの記事も、登園取りへのご意見となっていますので、是非お読みください。とても参考になります。

 引き続き、皆さまのご意見をお待ちしております。
birds-eye
2008/03/05 21:34
すみません、誤字ありました。
 ×皆さまの記事
 ○皆さまのご意見(コメント)
でした。


>元ライダーさん
 「結局、医者がいなくなって困るのは患者だ」ということだと思います。双方にとって最善の落としどころはどこなのでしょうね?

>刻廉さん
 ご参考までに。医療事故調の原案がこの考えに沿っていますが、医師の方々は強く反対されています。
 そのあたりもこの五の記事で取り上げていきたいと考えているので、見守って(ご意見くださって)いただければうれしいです。

>IZW134さん
 僕は法律に疎いので、このような視点からのご意見を切望していました。とても勉強になりました。
 ぜひ、この後の記事に反映させていただきます。
birds-eye
2008/03/05 21:39
わざわざ記事にして頂き、有難うございます。
ちょっと今、年度末で忙しいこともありすぐには返信できないかもしれませんが、いずれ返信をいたしますのでお待ちください。
kusukusu
URL
2008/03/05 22:50
>kusukusuさん
 ありがとうございます。了解しました。楽しみにお待ちしております。
 この記事にトラックバックされている「ある町医者の診療日記」さんの記事にも、kusukusuさんのご意見への言及があります。ぜひご一読いただければと思います。
birds-eye
2008/03/05 22:59
いつもブログを興味深く拝見させて頂いております。

医療への不信、不満を抱いてる方々というのは基本的に現代医療に対し過剰な期待を持っておられるような気がします。知り合いの医師が元同級生で現厚労省官僚の方に言われたそうです「医療なんてのは障害行為なんだからミスすればいつでも訴えられて、吊し上げられて当然なんだ」と。医療を管理する役人自体がこの程度の認識なのだから現医療体制も変わろうはずもありません。医療行為とは非常に危うい行為で人為的なミスや医療システム上のミスで簡単に人の命が失われたりします。しかし、医療業務とはその危うい行為の連続から成り立っているのです。しかし傷害行為と紙一重の職業なんて他に存在しないのではないでしょうか。暴論かもしれませんが、人間の行う事なので完璧というはずはありません。機械ではないのですから。ミスも限りなく0に近づける努力は常になされていますが、けっして0にはなりません。ミス、不手際も含めて全てが日本の医療なのではないでしょうか。
大豪寺
2008/03/06 11:22
他のサービス業のように必ず対価に沿った物が受けられるとは限らないのが医療なのです。つまり、病院にいって治療を受けても、必ずしも治るとは限らない、治ったらラッキーという心構えが必要でしょうか。一方、日本の医療費というのは非常に安く設定されています。一般の方々が望む結果、治療体制を万全にするなら少なくとも現在の10倍は医療費が必要と言われています。皆さんは安くてもそれなりの医療がいいですか、高くても万全の医療のどちらを選びますか?一度、是非とも聞いてみたいものです。ところで余談ですが昨年知り合いがハワイに旅行に行った時運悪く脳出血を起こし、そこで治療を受けましたが、2週間の入院費、手術費全て合わせて1200万円請求されたそうです。恐るべしアメリカ医療!
いつも文章がいつもバラバラで申し訳ありません。
大豪寺
2008/03/06 11:23
「医師2人を書類送検 へんとう炎の患者死なせる」
共同通信の配信です。

タイトルの「死なせる」はないだろうと思うし、記事内容もまたこれに輪をかけた粗悪なもので意味不明なんですが、行間を読んで推測するに、たぶん扁桃摘出術後、出血が続いたため止血目的に再手術を行ったところ、それまで飲み込んでいた血液を嘔吐し、誤嚥、さらに挿管困難でもあって死亡したってことなんでしょう。

こんなんで刑事事件とされた日には(民事では示談が成立しているそうな)、手術から逃げ出すでしょうね、普通の感覚の人間なら。書類送検の段階で起訴されたわけじゃないなどとよく弁護士さんが言いますが、我々一般人からみたら書類送検だけでもう嫌になります。
で、実際、医師は逃げ出している。
逃げ出す先のない者は、防衛医療、萎縮医療をやって自分の身を守ろうとしている。
(嫌ならやめろ、嫌ならやめるってやつです)

今の医療崩壊は低医療費と医師数の少なさによるのが主でしょうが、こんなことをやっていたらたとえ医療費や医師を今の倍くらいにしても、同じかもしれない。
町医者
2008/03/07 12:29
返信は長くなったので、記事にしてトラックバックさせて頂きました。
kusukusu
URL
2008/03/07 15:48
URLさんのブログを読ませていただきました。以下、私が思ったことを書きます。

尊厳死って医療行為なの?
今のところは医療行為とは法律上されてないように思うんですが。少なくとも、私の感覚としては尊厳死を医療行為とされるのに非常に違和感を感じます。
尊厳死させたことを刑事事件として裁くかどうかは、URLさん言われるように、それは倫理上、法律上の問題じゃないでしょうか。倫理上、法律上、どうするか、その分野の専門家(それは医師とは違う、会議に参考人として入ってもいいとは思いますが)が決めたら良い。これこれになったら殺していいよと。その実行行為者をだれにするかも含めて。
それは医師がいいとは思いますが、警察官にするかあるいはそれ専門の資格をつくるかとかも含め決めたら良いのではないでしょうか。
(もう一点、続く)
町医者
2008/03/07 18:49
医療行為の正しさは、なんとか委員会とかいうのも含め裁判や会議で決まるものではないです。また決めるものでもないです。
これこれの場合はこうすべきだというのと、いやそうではないという対立する仮説のどちらが正しいかは、臨床実験や疫学調査などで判定される。こっちが正しいようだと裁判官の心証を作り上げた方が正しいなどというものとは全く違う性質のものです。
さらに、これこれの場合はこうすべきだとなっていても、これは個別事例について100%適用されるものではありません。「何百例、何千例、よく似た症例にそうしたら、これこれの確率でよい結果が期待される」というものでしかありません。その個別事例がその症例に当てはまるものであっても、そうしたら100%良い結果が得られるなどとは医学は保証しているわけではない(医学はこれこれの確率で良い結果が期待されると言っているだけ)。医師は、そういう医学の知識と、今まで培ってきた自分の経験から、この症例にはこれがいいだろうと瞬間、瞬間、判断しながらやっています。

こういう性質のものなのに、刑事事件の対象としていいのかってこと。
町医者
2008/03/07 18:51
返信、ありがとうございます。

え?「尊厳死」は「医療行為」ではないんですか?
僕は、医者が患者に行う行為なのであれば、すべて「医療行為」なのではないかと思っていたのですが。
医者の側から見て、他の形で治療をしたら苦しんで死んでいくことになるので、「尊厳死」という形でより苦しまなくて死んでいくことが出来る治療方法を選択したということではないでしょうか?
「尊厳死」が「医療行為」に当たらないというのは僕は考えてもいませんでした。もし僕の理解が足りなくて町医者さんが言われるように「尊厳死」が「医療行為」に当たらないものなのだとすると「尊厳死」を例にして「医療行為」の話を論じようとしたのはちょっと不適切だったのかもしれません。
kusukusu
URL
2008/03/07 19:32
私は医療行為ではないと思っていますが(先に書いたように強い違和感を持ってます)、医療行為だと思って尊厳死させている医師もいるかもしれません。
私は、尊厳死だろうが、人を死に至らしめることなのですから殺人行為だと思ってます。

ただしです、以下のことを理解してほしい。
外科治療は、傷害行為です。でも、法律的解釈により医療行為とされています。
同じように、法律の制定とか、法律的解釈をひねくり回してでもいいです、これこれの場合は医療行為だと決めたら、尊厳死も医療行為となるのでは?
それを決めるのは、倫理とか法律の専門家に集まってもらってやったらいいのではないでしょうか。
(そうなっても私は強い違和感を持ち続けるでしょうけど)

最後に。
尊厳死が医療行為かどうかを決めることと、ある医療行為が正しかったどうかを決めることとは全く別問題ではりませんか。
町医者
2008/03/07 20:11
ちょっと訂正しておきます。
「故意に」が抜けていた。

私は、尊厳死だろうが、その人を殺そうとして、その通り人を死に至らしめたのですから殺人行為だと思ってます。
目的が人の死なのですから。

こういうことまで医師の役目だとしてほしくない、というのが正直な気持ちです。できれば、それ専門の人を制度として作ってほしいです。
町医者
2008/03/07 20:26
 みなさま、ご意見本当にありがとうございました。
 ここまでのところ、明日?記事に取り上げさせていただきたいと思います。
 (明日できないかもしれませんが、その場合は申し訳ありません)

>大豪寺さん
 ご意見、とても共感する部分が多かったです。お花債にあった官僚の発言は、ひどいですね…
 結局、高度な専門技術を駆使する「医療」というものは、本来市民の方々が思っているほど安くはないのだと思います。それを工夫と無理を重ねて廉価で提供してるんだから、分かってよ… と僕も思っています。

birds-eye
2008/03/09 23:02
>kusukusuさん、町医者さん
 充実した議論、ありがとうございました。
 尊厳死は、それだけで渾身エントリーの2,3個は書けてしまえそうな問題ですね。ちょっと議論が複雑になるので、僕は「医師と刑罰」という文脈では触れないことにしたいと思います。
 一般論として、「医者がよかれと思って、ガイドラインを逸脱して処分を食らう」という例があります。尊厳死や、病気腎移植などもそうではないでしょうか?
 それとは別に、僕はkusukusuさんが「刑事罰の対象とすべき医療行為を、“倫理”というキーワードでくくる」という趣旨だったのだと理解しています。尊厳死のことを省いても、「怠慢」とか「無責任」とか、そういう例を念頭に置かれているんじゃないのかな、と僕は思ったのですが、いかがでしょう?
birds-eye
2008/03/09 23:03
尊厳死について誤解がありそうですので、以下wikipedia から抜粋。

尊厳死:人間が人間としての尊厳を保って死に臨むことである。

積極的安楽死:本人の自発的意志を前提として一定の条件を満たした場合、医師が自殺幇助の行為を行うこと。

消極的安楽死:必要以上の延命治療を控えて死に至らしめること。
imo
2008/03/10 17:14
 imoさん、ご指摘深くお礼申し上げます。

 ご指摘に加えて「慈悲殺」もありますね。
 医師及び家族が、本人の意思表示が無いにもかかわらず、「生きているのが辛いだろう」と患者を殺してしまう行為です。

 このあたりの言葉の難しさは、折り紙付きです… 僕の「尊厳死」という用語の選択も不適切だったと思いますので、はっきりさせてくださってとても助かりました。
birds-eye
2008/03/10 22:15
たまたま本ブログを拝見したのですが、私は「医師に刑事罰を適用するな」というご主張には非常に違和感を感じました。「医療行為」は非常に不確実な要素が多く、(医療において悪い結果というと人の死という重大な結果につながることが多く判断にバイアスがかかりやすいので)結果が悪かったからといって後付けで安易に非難をするべきでない(刑法で裁くのは抑制的であるべき)、とか、判断には高度な専門性が要求されるので医療事件について特別に専門知識を持つ裁判官だけに裁判を担当させるべき(その観点からは、むしろ警察や検察の方がそういった体制が必要かもしれませんが)、というのであれば、理解できるのですが、一足飛びに、「医師に刑事罰を適用するな」という主張がでてくるのは、正直、発想として理解できません。どのような業務に関するどのような立場の行為であれ、刑法に反する行為であれば、刑罰が科せられるのは当然なのであって、この世に専門的で専門家にしか理解できない、あるいは専門家ですら確実な判断などできない分野や業務はあまたある中でなぜ医療だけ例外にしなければならないのか理由がわからない(説明がつかない)と感じました。
らくちん翁
2008/04/22 00:36
(上の続きです)無論、裁判官は医療について「ど素人」であるのは多くの場合、そのとおりだと思いますし、そういう「ど素人」に裁かれることへの怒りというのはある程度理解できます。ただ、それは正直「医療」に限った話ではなく、専門的な分野や業務については基本的に全て当てはまることであり、制度的にははっきり言うとしょうがない点だと思います(もっともそれを補うために専門家の証言や鑑定書等があるのだと思います)。 また、刑事訴訟の手続は医療問題の解決に有意義だ、有意義でないというのも問題の立て方としておかしいのであって、刑事手続は別にそのようなことを目的としてなされるものではなく、罪には適正な罰をという、それだけの目的のものだと思います。したがって、刑事罰を課しても医療現場の問題を根本的に改善することにはならない、のは当たり前で、そもそも刑事手続にそのようなことを求めることが間違いであって、刑事手続の有無とは関係なく、ミスがあったならば、その疑問を解明し、同じミスをしないようにシステムを改良するよう努めていく必要があるのは当然のことだと思います。(すいません。まだ続きます)
らくちん翁
2008/04/22 00:38
(上の続きです。)町医者さんの言うような業務上過失致死罪が適用されると同じミスを繰り返すことになるというのはなんら根拠がない(個人の責任にして構造的問題の解決が図られない体質ならば問題があるのはその体質であって刑事罰が課されるかどうかとは無関係−むしろ、システムの障害になるものがあるとすれば、そういった裁判になった問題やその結果に対するマスコミの不正確な報道や問題に対する無知・過剰な対応等がシステムの改良の障害になるのではないか)と思います。ただ、私は個々の医療裁判について判決を読んだことはなく、その結論がおかしいかどうか判断できるものではないのですが(その時点でこの問題にコメントする資格はないかもしれませんが)、医療関係者が専門的知見から見ておかしなことを言っている(あるいは医師に対する過剰な要求が前提となっている)判決があるならば批判・非難がされるのはそれもまた当然のことだとは思います。長文失礼しました。
らくちん翁
2008/04/22 00:41

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