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zoom RSS ホテル会場使用拒否: 言論の自由と「国民の義務」

<<   作成日時 : 2008/02/08 18:49   >>

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僕たちの権利は、僕たち自身が守るのだということ

 グランドプリンスホテル新高輪が、右翼の妨害行為を理由に日教組の会場使用を拒否したニュースです。日教組はすでに会場使用の契約を交わしていたにもかかわらず、そして裁判所も会場利用を認める決定を出していたにもかかわらず、ホテル側が従わなかったことで日教組の集会は中止されました。
 産経を除く全国紙各紙が、「言論と集会の自由の侵害だ」という社説を掲載しました。
  『教研集会拒否―ホテルが法を無視とは』
   朝日新聞社説 2008.02.02
 (Web魚拓
  『司法を無視したホテルの非』
   日経新聞社説 2008.02.05
 (Web魚拓
  『ホテル使用拒否 司法をないがしろにする行為だ』
   読売新聞社説 2008.02.03

  『会場使用拒否 言論の自由にかかわる問題だ』
   毎日新聞社説 2008.02.02

 一方、産経新聞にはこんな記事も載っています。
  『「右翼の圧力ない」日教組集会拒否のプリンスホテル』
   産経新聞 2008.02.07
プリンスホテルは、会場周辺の学校で当日あった入試や、ホテルでの結婚式が「街宣車の大騒音の中で」行われる恐れがあったと説明。「被害の可能性を考慮してほしかった」と開催を申し込んだ側の日教組を批判した。


 調べてみると、ネット上ではけっこう「ホテルの対応は理解できる」という意見も多いのですね。
 日教組の主張に対する批判もありますが、単に「騒音は近隣の迷惑になるのだから配慮すべし」という意見も多いです。

◆ ◆ ◆

 ちょっと話はそれるのですが、世の中ラクして手に入る物って少ないですよね?
 特に、人が持っていない物を手に入れようと思うと大変です。

 持ち家でも車でも、一生懸命にお金を貯めて手に入れる物です。
 僕も最近、とみにお金のありがたさが身に沁みるお年頃です。
 まとまったお金を手に入れるのは、けっこう苦労します。

 さて。

 世の中には、大王さまの陰口を叩こうものなら刑場にしょっ引かれる国も少なくありません。
 「言論の自由」って、そんなお安い物じゃないと思いますよ?

 どうして僕たちは、こんなたいそうなオモチャを持っているのでしょう?
 それを手に入れるのにたいした努力をした憶えはありませんね?

 だったら、それは先人の方々の貯蓄を受け継いだ、ということです。

 市民革命、自由民権運動、大戦の苦悩…
 学校で習ったようなお話です。

 与えられた物は、別に恥じる必要はありません。
 感謝して受け取ればよいことです。

 でも、自分の努力で手に入れた物ではないのなら。
 自分の好き勝手に処分して良い物でもないはずです。

 先人から預かった物は、次世代に受け継ぐ責任があります。
 僕たちが遺産を食いつぶす真似は、許されません。


◆ ◆ ◆

 僕は、グランドプリンスホテル新高輪の会場使用拒否を非難します。

 大企業だからではありません。一市民として、言論の自由を守る責任を放棄したからです。
 そして、社会の総意であるところの法をないがしろにしたからです。

 日教組の主義主張は、確かに批判も多いでしょう。
 しかし、いまそれは問題ではありません。彼らの集会は合法的なものです。
 「間違った意見に言論の自由はない」という姿勢は、その判断を権力者が行ったとき、独裁政治を産んでしまいます。多様な意見こそが民主主義を成り立たせるものです。
 間違った言論だと思うなら、言論で対抗しなければなりません。武器にすべきは説得力で、騒音や暴力ではないはずです。

 「入試を受ける子供たちが可哀想だ」
 「一生に一度の結婚式を台無しにするのは非道だ」
 非道なのは妨害行為をする側です。日教組ではありません。
 試みに問いますが、僕が拡声器を持って結婚式場に乱入したら、皆さんはどんな要求でも呑んでくれるのでしょうか?
 よその国に同胞を拉致されたら、どんな言い分にも従うのでしょうか?
 グランドプリンスホテル新高輪が行ったのは、そういうことです。

 きちんと考えて下さい。
 グランドプリンスホテル新高輪は、自社の利益のために、僕たちの権利を削り取っていったのです。
 今回のことで、不逞団体はますます図に乗るでしょう。右翼、左翼に限りません。大企業が実力妨害に屈したという前例がこれほど大きく報じられてしまったら、自らの主張を通すため、これらの輩はその行為をエスカレートさせていきます。
 いつか、あなた自身がその言論のため、生命と安全を侵害されるおそれがあるのです。

 不逞団体の妨害に屈しないというのは、市民革命で独裁勢力の銃口に身をさらすより大変なことでしょうか?
 警察だって味方に付いてくれます。幸い、日本の治安機構はおおむねまともに機能しています。

 日本国憲法、第十二条。

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によつて、
これを保持しなければならない。

 それを忘れない市民でありたいと思います。

 「面倒ごとを避ける」という姿勢は、民主主義を殺します。


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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
右翼より日教組の方が
よっぽど迷惑な団体なのですがね
しらふね
2008/02/12 21:46
 しらふねさん、お越しいただいてありがとうございます。

 僕は、「迷惑な団体」というのは合法的な言論と集会を制限する理由にはならないと考えています。
birds-eye
2008/02/12 23:49
ホテル側は、日教組の集会と宿泊を拒否するのではなく、右翼街宣車対策をしなかったのか。
無駄であるからか?
右翼も日本国民でるからは、言論の自由が存在するが、自由とは他人の自由が始まるところで終わるものである。
今回のケースでは、他の宿泊客への影響を考慮したということであるが、であれば、右翼街宣車をこそ制限すべきであったろう。
駐停車禁止の場所に車を止めた場合、右翼街宣車だけは、移動警告を叫ばれるだけで、決して逮捕されないのは何故だろうか?
規制基準に満たないトラックやバスは、東京都内に乗り入れることが出来ないのに、何故、右翼街宣車は乗り入れることができるのか?
謎は深まる。
小林哲之
URL
2008/02/27 03:02
 お返事遅れまして、すみません。

 街宣車… 治安当局者を含め、面倒ごとにはなるべく関わりたくないという雰囲気はあるように思います。こと交通違反の取締は、ゴネ得だという噂も聞きますし。
 街宣車のキップを一枚切っても、一般乗用車のキップを切っても、警察官の人事評価からは同じなのでしょうかね?

 ホテルの対応は、以後の対応を見ても理解に苦しむばかりです。
 「反省力」の足りない組織だなあ、と苦々しく思っています。
birds-eye
2008/03/02 16:49
 余談ですが…

 小林さんのURLリンク先、てっきりお持ちのブログのほうかと思っておりましたが、違うのですね!?
 今日いちばんのびっくりでした(笑)
 「取扱説明書の製作」仕事で軽く関わったことがありますが、コンピューターアプリケーションの制作者側としては「そもそも利用者が躓くところが分からない」「スクリーンショット・解説図をいちいち用意するのが地味に手間」「文書の体裁まで整えると膨大な作業量」に泣いたおぼえがあります…
birds-eye
2008/03/02 16:59
頭の良い方は、同じ表現を使うのを避け、様々に言い換えます(国語の時間にそう習うからです)。しかし、取説では、同じ操作は同じ言い回しで記述することを求められます。万一の誤解を恐れるからです。
1つの事柄に二つの用語を使うことも厳禁です(PCとパソコンなど)。別物と誤解されることを恐れるからです。
基本的に読者主語です。機械主語は使いません。
×:AがクリックされるとBを表示します。
○:Aをクリックしてください。Bが表示されます。
更に、イラストやスクリーンショットを多用します。
少しでも判りやすく、誤解を少なくするためです。
しかも、重箱の隅をつつきすぎて、とても読めない分量になってはいけません。読んでもらえなければ、無いのと一緒ですから。
そう、取説とは、とても面倒で、地味です。
だから、商売として成立するのです。
小林哲之
URL
2008/03/04 01:57
 なんだか仕事をしていた当時に知っていればと思ってしまうような、ノウハウの数々です(笑) ありがとうございます。
 なんだか論文を執筆するときの注意と重なるものも多いですね。

> とても面倒で、地味
 何かの開発で、マニュアル作成の大変さにはなかなか思い至りませんものね。
 でも、分かりやすいマニュアルや添付してあったり、良い解説本を見つけたりしたときは、とてもうれしいです。解説本は、本屋の楽しみの一つにしています。(Word2000で小林さんご夫妻が書かれた本も、印象に残っています)
 これからも、ご活躍をお祈りいたします。
birds-eye
2008/03/04 20:24

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