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zoom RSS 憲法9条と国際社会での責任

<<   作成日時 : 2007/10/18 16:58   >>

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“タカの群れの中にあって、一羽のハトであり続けること”は間違いでしょうか?
国際社会において、先進国として責任を果たす上で、
日本は軍事面でも貢献すべきだという議論があります。
僕はこの考え方に反対します。そう考える理由を論じます。

 先日、「国連による集団安全保障の枠組みは、武力行使が必要だから、日本の平和憲法とは相容れない」という趣旨のブログ記事にコメントしたところ、大変興味深い反論をいただきました。
 せっかくの機会なので、僕の考えを述べさせていただきたいと思い、記事にしました。

 まず始めに、僕が憲法9条に肯定的な立場を持っていることを断っておきます。併せて、僕が被爆三世というバックグラウンドを持っていること、一方で「左派だから」「右派だから」というレッテルで議論するのは好まないことも記します。

■ 議論の内容
 先の記事で、僕のコメントの趣旨は「国連の平和維持活動に武力行使が必要であったとしても、参加国全てが武力を保持する必要はないのではないか? “タカの中にあってハトであり続けること”が日本の存在意義ではないか?」というものでした。
 それについていただいた反論は次のようなものでした。(元記事の「とおりすがり」さん【10/17 23:22】のコメントを転載)
>一羽のハトであり続けることに存在意義
世界の国々に対し、どのように存在意義を主張するのでしょう?世界の国々にとって日本がハトであることのメリットはなんでしょう。

つまりですね、平和維持活動が軍事力なくして遂行できないのなら、そして責任ある立場に日本がありたいと思うならば、日本もまた軍事力の行使も視野に含める必要がある、ということだと思います。が、そこであえて日本がハトであることに"他の責任ある国家に対して"与えられるメリットってなんでしょう?

他に迎合することが必ずしもよいことではないというのはわかるのですが、しかし、タカよりハトの方が、という精神は、公家が武家に守られながら武家を汚れた存在であると軽蔑していたのと同じような印象を受けます。
 これは、とても納得できる反論だと思います。誰もがいやがる汚れ役に、自分だけ関わらずにすますのは都合が良すぎるのではないか、ということだと思います。

■ 僕の考える「ハトであることの意義」
 それでも僕は、日本はあくまで国際社会に直接的な武力行使による関与を行うべきでないと考えます。

 なぜなら、この立場によって日本は、「戦争撲滅」という理念について、国際社会に対してモデルケースを提示することができるからです。戦争は、あるいは永遠になくならないものかもしれません。それでも、世界中の誰もが知る日本という国が、軍事力行使について並はずれて厳格な指針を堅持することで、世の良識ある人たち、あるいは教育を受け次代を担う子供たちに、戦争のない世界という理想を示し続けることができます。

 「日本はアメリカと同盟してるから、モデルにはなれないのではないか」という反論があるかと思います。ですが、日本が国際社会に示すべき理念とは、スイスのような永世中立国であることではありません。「国際紛争の解決に、武力という手段を用いない」ということだと思います。だから日本は、集団的自衛権を含む、あらゆる武力行使を放棄するべきだと思います。個別自衛権は、他国の一方的な武力行使に対し、国際社会の支援が効力を発揮するまでの時間稼ぎとして、受忍します。

 「警察力としての軍事力は必要悪で、それを全て否定するのは間違いだ」という反論もあるかと思います。しかし僕は、警察的な軍事力は国際連合に与えられるべきで、しかも公正な議決機関を整えたのちであるべきだと思います。安保理において特定の国が拒否権を持ち、実力組織は各国の国益を代表する国軍の集合という現状は、やむを得ないものではありますが、理想ではありません。日本が国際紛争に介入する軍事力を整えるのは、より民主的な安保理制度が確立された後であるべきで、その時は「国連決議のもと、自国の国軍が、自国の国益に反する活動も行いうる」ことも受け入れる覚悟が必要だと思います。それが警察力としての軍事力が備えるべき条件です。

■ 「国際社会の責任を果たしていない」という指摘への反論
 「戦争撲滅への理念の提示」と「国際社会の責任」を天秤にかけた妥協点が、「直接的な武力行使を伴わない国際協力」だと思います。
 日本の立場が「永世中立」ではなく「武力行使の放棄」であるので、復興支援などに自衛隊を派遣するのは問題ないと思います。給油作業などのような「武力行使の後方支援活動」は、基本的には反対です。


 以上が僕の個人的な考えですが、いかがでしょうか?
 「日本の国益」という観点からは、また違った議論が出てくると思いますが、それは別の機会に取り上げたいと思います。
 反対意見も含めた、幅広いご意見ご感想、お待ちしています。コメント欄は500字と字数制限が厳しいので、ブログをお持ちの方はトラックバックしていただければ努めてお返事差し上げたいと思います。

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内 容 ニックネーム/日時
憲法変えようがどうしようが、食料の自給率がこんなに低い日本が戦争できるわけがないんだから同じだ。アメリカみたいに食糧自給率が100%ならば別だが。戦争したってどうせ第二次世界大戦と同じで食糧不足で負けるだけらからな。ま、いわゆる富裕層だけは戦争で儲けられるし餓死することもないし実際に戦場に行くこともないから憲法改正してなんとか戦争したいだろうが。貧乏人は地獄だな。
美しい属国の人
2007/10/19 04:10
 美しい属国の人さん、コメントありがとうございます。
 食料安全保障は、それだけで記事の二つ三つは書けてしまいそうな重たい問題ですね。日本が食糧供給を頼っているのは主に米豪中あたりだと思いますが、これらの国々に対して直接的な武力行使を行うのは、食糧問題である以前に外交政策全般の破綻だと思います。問題は、そこまで日本の食糧事情に影響を及ぼし得ない第三世界の国々に対してどのような態度で臨むか、ではないかと思います。
 イラク戦争の際、アメリカ国内でも経済的に上位に位置する人には、比較的反戦・反ブッシュ派が多かったと聞いたことがあります。軍需産業が戦争を支持することも事実ですが、一概に経済的階級だけで議論するのも難しいかなと僕は思います。いかがでしょうか?
birds-eye
2007/10/19 19:32
呼ばれたので来てみました。
読ませてもらった感想を一つだけ。

「平和維持活動が軍事力なくして遂行できない」のなら軍事力は活用すべきですし、「国際紛争の解決に、武力という手段を用いない」のであれば、その方法で平和維持活動が遂行できることを身をもって、率先して証明すべきです。
しかしですね、「平和維持活動が軍事力なくして遂行できない」にも関わらず我は「武力という手段を用いない」は矛盾であり、欺瞞であり、無責任以外の何者でもないと思います。

国連や憲法についても思うところはありますが、発散するので今回は控えておきます。
とおりすがり
2007/10/19 23:56
 birds-eyeの場合は、ガンジーのような、絶対非暴力の抵抗運動ではなく、国連軍による警察活動は認めているわけだ。…だとすればですよ、国連の懲罰戦争としておこなわれた広島・長崎の原爆投下を容認するのかなぁ?投下も、東京裁判も、連合国軍の名のもとにおこなわれた歴史的事実を、どう解釈しているのですか?
罵愚
2007/10/20 03:06
birds-eyeさん、敬称が抜けておりました。失礼をお詫びいたします。
罵愚
2007/10/20 03:07
 とおりすがりさん、コメントありがとうございます。鋭いご指摘だと思います。
 まずはじめに、僕は「平和維持活動は軍事力なくして遂行できない」という立場です。
 しかし、自衛隊や各国国軍は、根本的には「自国の国益を実現する機関」です。僕は、このような機関を通じて、日本が国際紛争に武力介入することに反対しているのです。上の記事でもこの点はあいまいだったのですが、たとえば「国連が指揮統率権を持つ常設国連軍に、日本も人員・装備を提供しろ」ということであれば、僕は賛成です。あくまで、日本は「武力によって自国の国益を追求しないことを厳格に守る」というメッセージを発信するべきだと思うのです。
 いかがでしょうか? ご意見ご反論、ぜひ聞かせていただければと思います。
birds-eye
2007/10/21 09:19
 罵愚さん、コメントありがとうございます。第二次大戦はつい日米の関係のみで考えてしまっていたので、国連という視点を改めて考えるよい機会になりました。
 まず僕の立場として、原爆投下も東京裁判も認めていません。原爆を含む米軍の市街空襲は非戦闘員に対する虐殺行為で、米国は謝罪を行うべきです。東京裁判は、いわゆるA級戦犯には国策を誤った責任があると思いますが、@日本の帝国主義政策のみが(他の列強諸国も行っていたにもかかわらず)断罪された点、A法の不遡及原則の無視など裁判手続き上の問題、の二点で公正ではなかったと思います。これらが国連の名のもとに行われたのであれば、それは国連の歴史に汚点を残したと思います。
 ただ僕は、当時の国連と今の国連ではその性質がずいぶん異なると思うのです。当時の「連合国」と異なり、現在の国連には共産・イスラム・第三世界など多様な国家が加盟し、それなりに各勢力の利害を調整できる仕組みを持っていると思うのです(理想には程遠いですが)。そのような国連に、過去の失敗を理由に非協力の態度を示すのは、あまり現実的ではないかな、というのが僕の考えです。
 いかがでしょうか?
birds-eye
2007/10/21 09:38
立論が矛盾していると思います。

国連軍を常設し国際紛争には常に国連軍で当たるべし、というのなら最初からそのように述べたらよいのではないでしょうか。しかしこれは大義名分をどう付託するかという問題であって、決してハト派であるとかそういう話ではないですよね?

ところで国連軍参加にあたって、簡単に3つほど疑問(というか確認項目)をあげておきます
・国連の決議と日本の国益が反した場合、それでも自衛隊を供与するのか
・日本が国際紛争に巻き込まれ、かつ、国連がこの紛争に介入しないと決定したとき、我々は座して蹂躙されるに任せるのか?
・少なくとも国連の決議と日本の国益が叶えば、自衛隊は派兵してよいのか

ちなみに上記疑問に対する私の回答は「××○」です。基本的に国益によってのみ判断すべきことと考えています。(問題は国益が何か、ですがそれは次の話)
とおりすがり
2007/10/21 23:59
 とおりすがりさん、ありがとうございます。大変歯切れの良い議論で、楽しく拝読させていただきました。

 まず、改めて僕の立場を述べると、「理想的には国連軍を常設すべし。その一定の条件下でのみ、海外派兵○」です。上の記事では「現状での海外派兵の是非」を論点としたので、そのあたりが回りくどくなったのはご指摘の通りです。

 そこで、「常設国連軍か否かの名分の議論はハト派云々と違う話」というご反論だと思いますが、それでも僕は日本は平和憲法の立場(=ハト派)を貫けると思います。それは、常設国連軍への協力に「指揮権の譲渡」が含まれるからです。例え日本の人員と装備から構成されても、国連が完全な指揮権(派兵・撤退決定権を含む)を持っていれば、それは日本の国益を代弁する機関ではなくなります。平和憲法の精神は「武力を国益実現の手段としない」ことなので、それが守られると思います。
 この点、ご理解いただけますでしょうか? 質問・反論など大歓迎です。
birds-eye
2007/10/22 21:47
 挙げていただいた確認事項は、
@国連の決議と… → 条件付き○です。安保理の拒否権・常任理事国制度廃止が絶対条件ですが、現状ではかなえられていません。
A日本が国際紛争に… → ×です。国連に供与する部隊とは別に、日本は自国の指揮下に残した自衛隊も持つはずです。これで個別自衛権を行使し、その間に国連の枠外での外交努力を行うべきです。
B少なくとも… → 現状で○です。これも安保理の体制次第ですが、中露が脱退でもしなければまず大丈夫でしょう。

いかがでしょうか?
birds-eye
2007/10/22 21:50
ちょっと待ってくださいね。
Aで自衛隊を認めているように読めますが、自衛隊は憲法を素直に読めば違憲だと思いますが、それはbirds-eyeさんとしてはどう消化しているのでしょう?

あと@ですが、常任理事国が解散など当面あり得ませんし、現在は常任理事国のある世界ですから、ありつづけた場合、もしくは、常任理事国をなくす努力+それが実現できる間の、日本の国際紛争の関わり方についてはどのようにお考えなのでしょう?

Bの中露脱退については理解も意図も理解できませんが…
とおりすがり
2007/10/22 22:50
 とおりすがりさん、お返事ありがとうございます。

 Aについて、僕は個別自衛権を行使する手段として自衛隊は容認しています。憲法を素直に読めば違憲であることはご指摘の通りだと思いますが、僕は次のように考えます。
 憲法9条の意義は、上の記事でも述べたような国際社会のメッセージではないかと考えています。その点では、安全保障上のデメリットを背負っても9条を守れば国際社会に訴えることができ、安全保障を選んで軍備すれば訴える力は弱くなるトレードオフの問題だと思います。この視点で考えて、軍隊ではありますが「専守防衛・集団的自衛権の放棄」という大きなハンディキャップを背負った自衛隊は、そのハンディキャップ故に、十分な国際平和へのメッセージとなるだろうと考えています。

 @は、その間は海外派兵を行うべきでないと考えています。現状の国連安保の枠組みに対して日本が取るべき態度として、それが上の記事の趣旨でした。
birds-eye
2007/10/23 21:10
 Bは、説明不足でした。申し訳ありません。
 当初のご質問にお答えするにあたり、「国連決議と日本の国益の両方が実現されるにも関わらず、自衛隊を派兵するべきでない状況」を考えました。考えられるのは「日本の国益が国際正義に反しており、しかも国連決議が日本の立場に偏っている」場合です。具体的には「社会主義国、イスラム圏、独裁政権などに対して、急迫不正な虐殺行為の阻止などといった大義名分もなく、民主化強要などの内政干渉を行う」などかなと考えました。
 このような行為に対して、現在の勢力関係では中露が安全弁となるだろうと考えたので、それらが脱退しない限り大丈夫、という意図でした。
birds-eye
2007/10/23 21:21
>@は、その間は海外派兵を行うべきでないと考えています@は、その間は海外派兵を行うべきでないと考えています

もとの問題に戻りますが、国連が理想的な状態となるまでは、"「平和維持活動が軍事力なくして遂行できない」が、その責を日本は負わない"ということでしょうか?

またAですが、あらかじめ言っておきますと、私は「護憲」と称する人を"例外なく"軽蔑しています。ということで私は所謂改憲派です。birds-eyeさんは「憲法を素直に読めば違憲であることはご指摘の通り」と認めていらっしゃいます。
そこで提案ですが、birds-eyeさんは憲法を現状にあう形に改定しませんか?と言ったら賛同してもらえるでしょうか。
とおりすがり
2007/10/23 22:30
 とおりすがりさん、お返事ありがとうございます。

 @は、はい、その通りです。詳しく述べると、非戦闘地域の治安維持・復興支援は○、紛争地域で戦闘を任務とすることは×、です。戦闘の後方支援は、以前に○と言いましたが、原則反対と改めさせてください(洋上給油問題は未だ悩んでいます)。以上は、例え国際平和に必要であっても、ということです。
 以前に「公家が武家を」というご批判をいただいたかと思いますが、「武家」であるところの諸外国は「公家」に転身する自由を持っているはずです。9条のようなものを制定して軍事協力から解放されることと引き替えに、日本が抱えているような諸々の軍事的ハンデを受け入れるかどうか、各国が自ら判断すればよいことです。それで国際平和が維持できなくなれば、その時は9条を制定した諸国で結束して常設国連軍を作ればよいのではないでしょうか?
 以上のような流れは非現実的だとは思いますが、ともかく僕の考えは、「軍事非協力には代償を支払っているのだから各国の非難には当たらない」ということです。いかがでしょうか?
bird-eye
2007/10/24 20:57
 なかなかとおりすがりさんのように簡潔にはまとまらないですね… 長文恐縮ですが、以下、二点目についてです。

 Aについては、ご期待に添えないようで心苦しいのですが、僕は9条については現状維持の立場です。
 まず、もしもとおりすがりさんが「現実を見ずに理念だけで護憲を唱える態度」に疑問を感じておられるのでしたら、僕は全く同感です。自衛隊は明らかに違憲であり、一方で自衛隊すら持たない事は大国の国策としてあまりにリスキーです。
 それでも僕が現状維持の態度を取るのは、国際政治において条文というのは緩く解釈される傾向が強いと考えるからです。過去の侵略戦争の多くが自衛戦争の名の下に行われたことを鑑みると、「侵略戦争を行わない」という条文を憲法に設けることにそれほどの意義を見いだせません。それよりは、実質的には違憲状態を続けるといういわば「破り代(しろ)」まで考慮した上で9条を維持することが、現状を維持しつつなし崩し的な軍拡を防止することにつながると僕は考えます。
 ですので、僕の考え方は「護憲」とも少し違うと自分では思っているのですが… このような考え方は、どう思われますでしょうか?
birds-eye
2007/10/24 21:41
>自衛戦争の名の下
所謂平和憲法下に於いて、自衛戦争,対テロ戦争の名の下に、我が国は今現在戦争に荷担しているのではないですか?
にもかかわらず、「条を維持することが(略)なし崩し的な軍拡を防止することにつながる」と言い切れるなにかがbirds-eyeさんには見えるのでしょうか?

それとですね、
「軍事非協力には代償を支払っている」
と言い、
「日本は兵站を担い前線を維持に最も貢献している」
と言えない理由は何でしょう?
戦費拠出や兵站を担いながら「軍事非協力」みたいなことを言っていることが、公家のような汚さが見えると言っているのです。

#語気がちょっと荒いですが、birds-eyeさんをののしっているわけではありませんのでご理解ください。
とおりすがり
2007/10/24 23:47
 とおりすがりさん、お返事ありがとうございます。今更ですが、戦費拠出・後方支援はおっしゃるとおりだと思いました。

 一般論として、戦費拠出や後方支援は9条と相容れないなと、この議論を通じて考えました。確かにこのようなことを続けるくらいなら9条は変えた方がいいかもしれません。

 改めて、僕の立場としては、後方支援×、9条維持、非紛争地域の平和維持・復興支援活動にのみ貢献すべし、という意見になります。僕としては、戦闘に対する支援行為と9条を併存させるつもりはありません、
 いかがでしょうか?
birds-eye
2007/10/25 22:00
平和維持・復興支援活動で非紛争地域ってどんなところを想像していますか?
つまりスラムとか犯罪多発地域とか、天災被害地とか、終戦直後の地域ってことです?
とおりすがり
2007/10/25 23:03
 お返事ありがとうございます。
 そうですね、挙げていただいたもので合っています。@宣戦布告がなされていないか戦闘終結宣言が出ている、A「非紛争地域」という認識が国際社会で共有されている、というものを漠然と想像しています。
birds-eye
2007/10/26 21:33
そういう地域の場合、軍隊ではなく、消防やボランティア、非軍属の医師団とかでいいんではないでしょうか?
非紛争=交戦がない、即ち「治安だけは回復している」ってことですよね?
そんな地域に軍隊は必要ないと思いますがどうなのでしょう?
とおりすがり
2007/10/27 22:58
 工兵隊による建設作業は、復興作業の中でかなり大きな需要があると聞いたことがあります。
 組織的な政治勢力同士の紛争はなくても、強盗や誘拐などの犯罪がないとは限らないので、自分の身は自分で守れる自衛隊が任務に就く意義は大きいかなと思います。(挙げていただいた医師団などの護衛任務もありえますね)
birds-eye
2007/10/28 18:32
工兵隊の仕事は戦場でなければ別に工兵隊でなくても可能なものが多いです。地雷/機雷とかの軍事兵器の撤去は一般には難しいでしょうが、しかしそれをもって軍の投入が必要かというと疑問です。
強盗とか誘拐の犯罪に備えるのは軍隊ではなく警察組織です。
また、護衛任務をあげていますが、護衛が必要=医師団がテロの対象になる、ことを想定していると思いますが、その想定が必要=紛争地域、なのではないでしょうか。
(私はそうは思いませんが)仮に非紛争地域だとして、テロに遭遇したら護衛に当たる軍隊はどのような対応をとればいいのでしょう?私は戦闘状態に陥るような気がしますが、それはbirds-eyeさんにとって想定済みの事態なのでしょうか。
とおりすがり
2007/10/28 23:46
 いつもながら鋭いご指摘ありがとうございます。ツッコみどころを外さずツッコんでくださるので、いつも爽快に冷や汗をかいています(笑)

 工兵隊については、治安の悪い地域での作業における自衛能力込みの評価だと思います。

 警察との違い、むろん定義としてはおっしゃるとおりです。ただ日本の警察を派遣しても、例えば迫撃砲まで持っているような外国の武装強盗には対処できないので、自衛隊を派遣して警察の代用とするのではないかと思います。

 非紛争地域で護衛が必要になるのは、例えば身代金目的の誘拐の危険などでしょう(cf.南米で頻発)。それに自衛隊が応戦するのは戦闘行為になりますが、武装強盗や営利誘拐は「犯罪」であって「紛争」とは異なるので、9条には違反しないと僕は解釈しています。

 難しいのは、一般に「犯罪組織」と「政治勢力」が明確に分けられないことですが。アルカイダなどかなり灰色です。
 でも政治的にそれなりの正当性があれば支援する国家もあるはずなので、国際社会が一致して「政治勢力ではない」と認定するものは犯罪集団と見なしてよいのではないかと思います。
birds-eye
2007/10/29 21:12
つまり、例えば南米地域の邦人誘拐事件が多発した暁には、それを抑止するために、自衛隊を当地に駐屯(派遣)しても良いと、そうおっしゃるわけですか?
そしてその後、その活動が政治的な目的をもった組織によって行われていると判明しようものなら、自衛隊は邦人警護を中断して引き上げなくてはならないと、そういうことでしょうか?
とおりすがり
2007/10/29 23:41
 そうですね。おおむねその通りだと思います。補足するなら…
 @自衛隊を派遣する必要が生じるほど治安が乱れる場合とは、現地国の治安組織が機能を失った場合です。具体的に考えられる事例で地域紛争を除けば、地震などの大災害くらいではないでしょうか? その治安維持・復興支援に自衛隊が派遣されるのは妥当だと思います。
 A派遣に当たっては事前に現地の政情について情報収集がなされるのは当然で、犯罪組織の政治的意図が事後になって判明するケースはとても稀だと考えられます。
 Bさらには、そのような災害地域において突如として出現して「政治的意図」を表明する火事場泥棒的な武力集団が、その政治的正当性を国際社会から公式に認められるとは思いません。
 C災害派遣ではなく紛争の事後処理の場合では、政治的意図を持った組織が派遣後に現れるのは「情勢の変化」として自衛隊撤退の理由になると思います。その際は、護衛対象である邦人、医師団、国連職員などにも退避勧告が出されるはずです。
birds-eye
2007/10/30 20:29
あなたが誘拐された邦人その人、あるい親族であったなら、そのような国の振る舞いって容認できます?
なにか重要なものをあえて無視してはいませんか?

それに@の前提条件がおかしいですよ?例えば北朝鮮が瓦解して無政府状態になったら自衛隊は進駐できるんですか?
とおりすがり
2007/10/30 22:09
 「そのような国の振る舞い」「なにか重要なもの」を具体的にはかりかねたので、的はずれな回答になってしまうかもしれませんが。そのときはご指摘いただければと思います。

 政情が悪化して、自衛隊が治安維持任務を中断して撤退したことで、邦人が誘拐された場合の議論かと思います。先にも述べたとおり、撤退に際しては在留邦人にも国外退去・渡航自粛勧告が出るはずなので、誘拐された邦人はそれに従っていなかったことになりますでしょうか?
 そうであれば、冷たい言い方になってしまいますが、誘拐された当人は危険を承知した上でその地域にいたのだと思います。もちろんご本人ご家族の苦痛は大変なものだと思いますが、「自己責任」の範囲のことではないかと考えます。
 ですが、とおりすがりさんがこの点を議論の焦点にされたいのか、いまいち自信がありません。いかがですか?
birds-eye
2007/10/31 23:04
 @の前提条件、たしかに「紛争の事後処理」が抜けていました。Cで補足したつもりでしたが、書き方に問題があったこと、申し訳ありません。
 北朝鮮の例、まずは「瓦解して無政府状態」という状況は具体的にどんなものとお考えか、教えていただければと思います。政治的指導者が亡命してもある程度の統治機構は残るはずです。例えばソマリアのような状況をお考えでしょうか?
birds-eye
2007/10/31 23:04
伝えるとは難しいですな。
ちょっと私のスタンスを伝えておくと、治安維持のために軍隊を派遣すると言うことは、即ちそこは紛争地帯だと言うことです。紛争地帯ではない、つまり現地の治安維持機構が正常に機能しているのであればレスキューでよいと思うわけです。どうしても自衛隊の特殊機能が、特に工兵の技能を必要とするなら、武装解除の上レスキューの指揮下に入って現場入りすればよい。
それが自衛隊のまま現地に入る理由って何?と考えるとどう考えても軍事能力行使以外には私は考えられないわけですが、それは9条に違反しないといえるのかどうか?ということですね。
とおりすがり
2007/10/31 23:28
その上でbirds-eyeさんは、非政治性の事件であれば「軍隊」が他国に駐屯してもよい、という主張を展開された(2007/10/29 21:12)ので、それでは当初非政治的と判断していた事件が後日委細がわかり、政治的なつながりがあると判明した場合に、それでは派遣済みの軍隊はどのように処するおつもりなのでしょう?というのが質問の当初でした。
とおりすがり
2007/10/31 23:36
さらにbirds-eyeさんのシナリオを私が解釈すると以下のようになるわけです。
さらに「非現実的だ」と思わずに想像してみてほしいのですが。

birds-eyeさんの家族の誰か(以後"Aさん"とする)が仕事で南米に長期滞在している。そんな中、邦人誘拐事件が多発する。南米の政府は日本に日本国民の安全を守るために自衛隊の駐屯を要請する。Aさんはこの段階で帰国せず現地で仕事を続けることとなった。そして自衛隊が駐屯した後、Aさんは誘拐される。そしてAさんを誘拐した犯人グループが政治的な声明をあげる。これに驚いた現地自衛隊および政府は調査し、政治的勢力による誘拐であることが判明する。そして自衛隊は撤退する。Aさんの所属企業が単独で救出しようと努力しようとするが…以下略

というシナリオがあり得ますよね?
とおりすがり
2007/10/31 23:48
 とおりすがりさんのスタンス、大変よく分かりました。ありがとうございます。僕の主張についてもおっしゃるとおりです。

 さて、ご指摘いただいたシナリオについては、僕の意見は「犯人グループの政治的正当性が国際社会に認められるなら、自衛隊は撤退すべき」です。

 まず、Aの親族として僕は、日本政府に「自衛隊による救出」の途を模索するよう訴えると思います。そこで争点になるのが「犯人勢力の政治的正当性」です。例えばタリバンでさえ、身代金目的の誘拐は仲間内から白眼視され、孤立します。その犯人勢力が、仮に誘拐行為の不当性から国際的な支持(※)を得られなかったとしたら、たとえ彼らの政治的主張が何であれ、自衛隊はそれを「犯罪者集団」とみなして事に当たることができます。つまり、撤退の必要は生じません。

 ※これは、別に「国際社会の多数派の支持」である必要はありません。4、5カ国くらいが「彼らにも言い分があるのでは」という態度をとれば、くらいで考えています。
birds-eye
2007/11/01 21:21
 それでは、自衛隊が撤退すべきと考える場合、つまり犯人勢力が少なくとも数カ国から政治的正当性を支持されている場合についてですが、これはもう、自衛隊が駐留することでどうこうできる問題ではないと考えます。
 自衛隊が撤退せずに実力で人質を奪還することで、その支持する数カ国とも敵対関係になる可能性があります。もちろん、非は相手にあるので「戦争も辞さない」という考え方は理解できるのですが…
 その選択が国際的にはアリだということを認めつつ、僕は「自衛隊が撤退した上で、武力によらない問題解決」のほうがよいと思います。犯人勢力に国際的な支持があるのなら、その支持する国家を通じて対話を行うことができます。また、それらの国に対して、国際社会の協力を仰いで圧力をかけることもできます。これらをきちんと行ったとき、自衛隊の撤退の有無は人質救出の成功見込みに大きな違いを生じないのではないでしょうか?

 いかがでしょうか?
birds-eye
2007/11/01 21:34
そうですか。武力によらない問題解決、が可能なら最初からそうすれば良かったのではないでしょうか。そうできなかったからこそ、軍隊を派遣することとなったのでは?と思うわけです。

私は、軍隊を派遣するに足る目的が達成されるまでは引き上げるべきではないと思いますが。もちろん状況により方針の変更や撤収はあり得ますが、相手が政治勢力であるかどうかが最大の要因になることはないです。

そもそも"政治性の事件であれば「軍隊」が他国に駐屯してもよい"という主張そのものがおかしいと私は思うわけですが。時刻の軍隊が他国に進駐する理由はもっと別の次元の問題だと思うわけです。
とおりすがり
2007/11/01 21:54
ところで↑は傍論なのでどうでもいいのですが。

birds-eyeさんの認識では、
「自衛隊(武装状態)のまま現地に入」っても、憲法9条違反にならないという認識でよいのでしょうか。

もちろん、軍隊としての機能、つまり武力行使を前提としないなら、武装解除してレスキューの指揮下にはいって働いても同等の機能を発揮できることは上記の通りです。

それでもなお、自衛隊のまま派兵すること(つまり現地で攻撃されれば対応するために戦闘状態に陥ることがあるということ)が憲法9条違反ではないということでよろしいですか?
とおりすがり
2007/11/01 22:04
>武力によらない解決が可能なら最初から
 シナリオの場合だと、自衛隊の当初の任務は治安維持かと思います。僕が指摘したのは誘拐された人質の救出という点なので、武力によらない解決の途もあるかなと考えました。

>軍隊を派遣するに足る目的が達成されるまでは引き上げるべきではない
 僕の考えは、「任務達成が困難になったから引き上げる」という感じです。自衛隊には「政治勢力と武力衝突してはならない」という禁忌があり、それに触れずに当初の任務を達成するのが難しくなったから引き上げる、ということです。

>そもそも"政治性の事件…
 「政治性でない事件」ではなく、ですか? 差し支えなければ補足していただければ幸いです。
birds-eye
2007/11/02 23:12
>「自衛隊(武装状態)のまま現地に入」っても、憲法9条違反にならないという認識
 はい、僕はそのように考えています。
 自衛隊が存在することの違憲性を脇に置いておくならば、9条が禁止しているのは「国際紛争を解決する手段としての武力」です。だから、例えば犯罪者を取り締まる治安維持活動など、国際紛争でない状況なら武装した自衛隊が他国に行くことは憲法に違反しないと考えています。(だから、武装勢力の政治的正当性が問題になると僕は考えています。)
 いかがでしょうか?

 ※私事ですが、所用で一週間ほど家を空けます。今後しばらくレスが遅れがちになるかもしれないこと、ご容赦いただければ幸いです。
birds-eye
2007/11/02 23:21
>> そもそも"政治性の事件…
> 「政治性でない事件」ではなく、
政治性でない事件、ですね。
とおりすがり
2007/11/02 23:50
国外での戦闘行為そのものが国際紛争なんじゃないですか?

治安が維持されているなら、そもそも武力を用いる必要も所持する必要もありません。そもそも犯罪性の案件については警察力で対応すべきですし、仮に危険が予知されるからといって言っても自衛で兵器を所持する権利など持つはずがありません。通り魔に対抗するためにナイフを持ち歩けば銃刀法違反なのと一緒です。治安が維持される限り、その国の国内法が適用されるはずです。

ところが軍事力を持ってそこにあり、非常の時には実力で対抗するというのは、そこは戦場であり、そうであれば紛争以外なにものでもないと思いますが…

そもそも「侵略戦争の多くが自衛戦争の名の下に行われたことを鑑みる」ならば、「国際貢献」とか「国際紛争に当たらない」も大義名分であり、同じ話だと思うわけですが。
とおりすがり
2007/11/03 00:02
 お返事遅くなりましてもうしわけありません。

>国外での戦闘行為そのものが国際紛争
 この点が、とおりすがりさんと僕で理解が異なるところのようですね。僕は、国際紛争地域でなかったとしても治安維持機構が機能しているとは限らないと考えています。(治安維持が行えているなら軍事介入が不要なのは同意します。)
 例えば、イラク戦争のような例(サマワ派兵に賛成しているのではなく、あくまで例として)では、戦闘が「終結」しても、新国家の警察機構が機能し始めるまでには時間がかかりました。また、大災害で国家の治安機構がマヒすることも考えられます(警察官も被災しており、食べるのに困っている訳です)。世界には市場で自動小銃が売られているような土地があるそうなので、そのような地域で治安維持の任務を行うには自衛隊程度の武装は必要と考えています(戦車まで全部持っていく必要はないかもしれませんが)。

birds-eye
2007/11/05 15:13
>そもそも「侵略戦争の…
 これは、全くおっしゃる通りだと思います。でも、だからといって「自衛隊が一歩でも外に出たら侵略戦争になる恐れがあるから、まったく関与しない」というのも国際的には通らないので、どうやって折り合いを付けていくか、という問題なのだと思います。
 自衛隊を創設するにあたって、日本が設けたルールは「必要に迫られても相手国の領域は攻撃しない」という専守防衛の態度でした(ミサイル防衛で崩れつつありますが…)。自衛隊による国際貢献についても、それと同様の厳格なルールが求められるのだと僕は考えています。
 そのために妥当だと僕が考えるのが、民主党が主張するような「国連のお墨付き」です。安保理にはかれば、少なくとも米英仏中ロの5カ国の同意が必要で、ほかの非常任理事国の票も合わせれば判断が偏るリスクは現実的な水準に抑えられるのではないかと思っています。
 このようにかんがえているのですが、いかがでしょうか?
birds-eye
2007/11/05 15:25
>戦闘が「終結」しても、新国家の警察機構が機能し始めるまでには時間がかかりました

質問してみますが、この治安維持されていない状態、とされる時期に、自衛隊がはせ参じて、その結果当地の敗戦側勢力からなんらかの攻撃が自衛隊に加えられたとします。(仮に十数名程度の勢力としましょう)
この攻撃を加えられたときの、自衛隊の行動はどうあればいいと思いますか?
私は当然「戦闘」になると思いますし、相手勢力を殲滅させると思います。
それは相手勢力を裁判などにかけずに抹殺できることを意味しますが、それはOKですか?
OKだとすると、その十数名の勢力の裏に大きな勢力がいたとすると、このことを発端に事態が拡大する可能性もありますが、それも覚悟の上ということでよいですか?
とおりすがり
2007/11/11 13:31
 今日から更新復帰しました。レスに間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。
 さてご質問の件、「そうならないよう事前の検討を十分行う」というのが大前提ではありますが(サマワでも結果としてそれは守られました)。それでも予期せず敗戦側勢力から攻撃された場合を考えます。
 僕の考えとして、自衛のための迎撃○、相手が退却した後の追撃は×、です。かつ、予期せぬ戦闘行為があったのなら、可及的速やかに自衛隊はその地域から撤退すべきです。
 相手が退却しないことで相手が全滅するのは、やむを得ないと考えます。また、相手が開始した戦闘を発端として事態が拡大するのは不可抗力だと考えます。その意味で、そうですね、「覚悟の上」ということになるかと思います。
birds-eye
2007/11/14 00:54

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憲法9条と国際社会での責任 白鳥一声/BIGLOBEウェブリブログ
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