|
「マスコミは、『医療の避けられないリスク』に配慮した報道を行うべきだ」 ◆ 薬害肝炎まとめ 目次 ◆ トップページ
(追記)
薬害肝炎問題を報じるマスコミの報道は、僕には釈然としないものでした。 被害者に同情する世論を煽るばかりで、薬害肝炎問題の「避けられなかった被害」という側面があまりに軽視されていたように感じられたからです。 新聞の大手全国紙5紙(朝日、日経、読売、毎日、産経)の記事を、僕は全てチェックしているわけではありません。 ただ、薬害肝炎問題に関しては、僕の知るかぎりでは次の記事が最も充実していたように思います。(この記事はネットでは公開されませんでしたが、アイスゆずさんがブログ上で紹介してくださいました。それを再転載させていただきます) 被害、長年置き去り この記事は、薬害肝炎問題の要点を非常に簡潔にまとめています。少ない字数の中で問題の複雑さにも言及しており、僕はこの記事を非常に高く評価します。 しかし、この記事の唯一の(そして最大の)問題は、「リスク受忍論」についての記述です。 医療行為においては必ず「避けられないリスク」が存在し、それは受忍しなければ医療行為が成り立ちません。手術には失敗の可能性がついて回り、薬には必ず副作用があるのです。だから、これは「論」以前の大前提なのです。 同記事が言うところの「リスク受忍論」というのは、「リスク受忍の名の下に、軽減できる被害が放置されてきた」問題を指摘するものです。この指摘は正しいものです。 しかし、この記事を医療に詳しくない一般の方が読んだとき、はたしてそのような読み方をされるでしょうか? 同記事は「リスク受忍論」を 「治療で命が助かったのだから、多少の副作用は仕方ない」 と説明しています。それを否定したら、読者は 「治療で命を助けるためでも、多少の副作用すら許されない」 というような誤信を抱かないでしょうか? さすがにそこまでは行かずとも、 「多少の副作用ならまだしも、甚大な副作用は許されない」 と思わないでしょうか? 副作用の問題は大きさの問題ではありません。 避けられるかどうかの問題です。 その点で誤解を与える記事であることに、僕は不安を覚えました。 僕が最も評価する記事でさえこの状況ですので、他の記事はもっと酷い状況でした。 一例だけとりあげると、毎日新聞は社説でまで「医療のリスク」の視点を欠いた批判記事を書いています。 『薬害肝炎の政府責任: 毎日新聞社説への反論』 薬害肝炎問題の本質は、「避けられた被害を発生させてしまったこと」でした。その点を十分に訴えていない記事が、多すぎるように思います。 いま、医療崩壊が叫ばれています。 医師の偏在と過酷な勤務、そして医療訴訟のリスク増大が現場の医師を追いつめています。 これは、国の医療費削減のしわ寄せであると同時に、国民の過重な期待が原因でもあります。 医療に「確実」など求めることはできず、それを求めることは国民自身の不利益に直結します。 『医療崩壊: この国の医療をむしばむもの』 運命を前に激情に駆られて、被害が大きかったという理由だけで「過失があったはずだ」と決めつけることが、医師を追いつめます。 不当な医療訴訟の増加が現場の医師を減らし、産婦人科を初めとするいくつかの診療科目での医療崩壊を促進しています。 僕は、このような状況はマスコミの偏った報道こそに原因があると考えます。 医療にリスクがつきものであることを周知せず、安易に被害ばかりを喧伝する姿勢が、今日の国民意識と医師の窮状を招いたのだと思います。 本来、国の失政である薬害肝炎問題と臨床現場の医療過誤(疑惑)問題は別物です。 しかし、国民が「医療の避けられないリスク」に十分な注意を払わなければ、これらは同じものになります。 国民は無理難題をふっかけ、それがますます医療の質を落とす悪循環を繰り広げます。 医療に関する報道問題は、多くの医療ブログが精力的に取り上げられておられます。 医療報道を斬る 医療報道の多くは専門家である医師が読んでも意味不明です。また、わざわざ報道するだけの意義があるのか疑問に思うこともたびたびです。ジャーナリストならば、明瞭な内容の、報道するだけの意義のある記事を書いて欲しいと思います。このブログが、少しでも参考になれば幸いです。ここでは一つだけご紹介しましたが、他にもたくさんあります。 プロのジャーナリストなら、医師の意見に触れる機会はいくらでもあるはずです。 自社の記事が持つ社会的影響力を考え、責任ある報道をメディア各社に求めます。
|
| << 前記事(2008/02/01) | トップへ | 後記事(2008/02/03)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
あき様へ
私、アイスゆずは、「薬害肝炎問題」にとても関心があり、何度も<白鳥一声>の管理人様に議論をしかけました。そちらの管理人様は、私の問いかけに答えて下さっただけなのです。また、そちらの管理人様は、以前から今回の和解について問題を指摘しておられ、もっと広く多くの患者が救済される方法を取るべきだったとおっしゃっていました。私の方が、「今回の和解は仕方がなかった」と言っていたのです。<白鳥一声>をよくお読み頂けば、「もっと広く、公平に、多くの方を救済するべきだ」と書かれていることが、お分かり頂けると... ...続きを見る |
誰に投票する? 2008/02/07 04:30 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
はじめまして。 |
大豪寺 2008/02/05 16:08 |
大豪寺さん、はじめまして。アイスゆずさんのところでお姿お見かけしておりました。お越しいただいてありがとうございます。 |
birds-eye 2008/02/06 00:13 |
私に言わせてもらえるなら見放され見捨てられたと言う気持ちにしかなれないのが正直な気持ちです表立つ事すら!最初から出来ず意見や訴える事が出来ない状況にしたのも弁護団達や原告達です原告達と同じように活動しながらも私みたく証明出来ない人間の訴える声もとりあげず提訴出来ない人間には本当に事務的な扱いをしたのも事実です全員救済を掲げなから!自分達だけは救われたと言わんばかりに!私は救われたと聞く為に署名や募金活動をした訳じゃない!私だって生きて行く為に報われたい証明して保証金で治療したいんですよと言いたい |
あき 2008/02/07 00:09 |
あき様へ |
あき様へ アイスゆず 2008/02/07 04:39 |
あき様へ |
あき様へ アイスゆず 2008/02/07 05:08 |
> 副作用の問題は大きさの問題ではありません。 |
北村健太郎 2008/02/09 17:51 |
こちらは、連載1でお返事を書かせていただきました。 |
birds-eye 2008/02/11 14:25 |
>「副作用が大きいというだけでは、非難する理由 |
北村健太郎 2008/02/11 21:24 |
> 書き方を工夫 |
birds-eye 2008/02/12 22:19 |
| << 前記事(2008/02/01) | トップへ | 後記事(2008/02/03)>> |