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zoom RSS 薬害肝炎: 無過失補償で解決を

<<   作成日時 : 2007/12/14 22:24   >>

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「過失の有無」を裁判で争うことが、
有益だとは思えないのです。

 薬害肝炎の問題について、僕の考えを書きたいと思います。
 この問題は先日も取り上げたのですが、僕の思いを十分にまとめることができなかったので、改めて記事にします。

 僕は、血液製剤を含む薬害肝炎の全ての被害者に、公的な支援が行われる事を望みます。
 しかし、政府が「責任」を負うべきなのは被害の一部にすぎないと考えます。「過失に対する補償」という論点については、線引きを行う方法はともかくとして、線引きを行うこと自体は支持します。


◆ ◆ ◆

 僕は、薬害肝炎の全てを「誰かが悪いから起こった」とは言えないと考えています。

 一般論として、医療行為はリスクを伴います。あらゆる薬剤には予期せぬ副作用のおそれがあります。医療をよく知る人から、「薬なんて毒薬なんだ」という感想をしばしば耳にします。それが「医療」というものの一面の真実です。

 僕は、薬害肝炎にはこの「予期できなかった副作用」で病を患った人が少なからずいると考えています。このようなケースまで「過失」と扱うことは、医療行政に過大な負担を要求することであり、長期的には国民の健康と安全を脅かすと考えています。

 先日の記事は、主にこの点を取り上げたものでした。
  『 薬害肝炎: 救済者限定は「不当」か?』

◆ ◆ ◆

 しかし、血液製剤などによって難治性の肝炎を患った人は、医療負担に苦しんでおり、僕は一刻も早い支援の手がさしのべられるべきだと考えています。医療費の「全額負担」が妥当かどうかは判断しかねますが、通常の健康保険より数段手厚い公的支援が、政府の過失の有無にかかわらず与えられるべきだと考えます。

 難病(特定疾患)に対する医療費助成制度というものがあります。これは、決して「誰かが悪いから」公的支援が与えられるのではありません。
 同じことを、薬害肝炎の公的支援にも期待しています。

 政府は、すでにそのような案の検討に入っているようです。
  『肝炎、未提訴者も救済 基金案軸に国が検討』
   朝日新聞 2007.12.14
 (Web魚拓
 この動きを、僕は高く評価し、それができるだけ早く実現されることを望みます。

◆ ◆ ◆

 公正な議論のためにお断りします。僕は、このような特殊な症例に対する特別な支援には賛否両論あってしかるべきだと思います。
 僕たちの社会には、様々な病気で苦しんでいる人たちがいます。その中で、薬害肝炎の被害者だけが特別扱いされることは正当なのでしょうか? そこを考える必要があるからです。
 薬害肝炎の発症者は推計で1万人との事ですが、例えばガンは死亡者だけでも年間30万人います。薬害肝炎の救済は、なぜガン患者の救済よりも優先されるべきなのでしょうか?

 もちろん、全ての病苦に苦しむ人を等しく支援できれば理想的です。しかし現実には、医療のためにさける税金は有限ですので、それを割り振る方法が問題となるのです。
 政府にも、薬害肝炎の一律救済に否定的な意見がありました。この姿勢は改められつつあり、僕もそれを望みます。しかし一律救済を否定するなら、最低限、先の段落で僕が行ったような説明を国民に示すべきだと考えます。
  『官房長官、薬害肝炎訴訟「和解案と矛盾しない形で」』
   イザ!配信 2007.12.14


◆ ◆ ◆

 このような議論がある事を踏まえても、僕は、薬害肝炎の被害者が(他の病気に優先して)特別な支援を受けるべきだと考えます。
 薬害肝炎に限らず、薬剤の予期せぬ副作用で健康を害した全ての人に、特別な支援が与えられるべきだと思います。

 先にも述べたとおり、医療行為はリスクを伴うものです。あらゆる薬に、予期せぬ重大な副作用が潜んでいる可能性があるのです。

 不運にしてそのような副作用の被害に遭った人が、まるでトランプのババを引いたように過大な負担を強いられるのは、社会保障制度として望ましくないと僕は考えます。
 リスクは分散すべきです。このような不運に備えるため、国民の全てが少しずつお金を出し合い、そして助けを必要とする人に差し出すべきです。
 だから、薬害肝炎の被害者は優先的な公的支援を受けるべきだと考えます。

 今回の薬害肝炎の問題を契機に、「医療行為の予期せぬ副作用」全般を救済する医療補助制度が設立されることを望みます。

◆ ◆ ◆

 最後になりましたが、この記事では「政府の過失」については言及しませんでした。論評するまでもなく正されるべきだと考えたからです。

 厚労省の感染者告知怠慢や、福田首相の面談拒否など、政府に責められるべき点も多々あります。副作用の恐れを早くから知っていた製薬会社もしかりです。
 これらの責任は断固として追及されるべきであり、それによって生じた被害については賠償がなされるべきです。それは、薬害肝炎全体に対する公的支援に上乗せして行われるべきです。

 福田首相は、厚労省の対応に問題があったことを認めています。それに対する誠実な謝罪と補償を、迅速に行うべきです。
  『「厚労省に問題あった」薬害肝炎訴訟で首相』
   イザ!配信 2007.12.14



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内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
今日、原告が大きく譲歩した案を出しました。
朝日「〜過失を認める「法的責任」の文言にはこだわらず〜」
回答期限が20日なので、あす政治決断がなければ、和解が打ち切りとなります。原告の方々にとっては、すでに長い時間が経ってしまいましたが、必ずあすは人間的な判断がされるんじゃないかと思います。
福田衣里子さん「私たちじゃなくて、世論が国を動かしつつあると感じます。」
薬害C型肝炎訴訟原告 福田衣里子さんのブログ
Piquer 〜Ennrico’s  room
http://blog.livedoor.jp/ennriko555/
アイスゆず
2007/12/18 22:39
日付がかわって、19日になってしまいました。
もし、この案でも政治決断されなかったら、どうしようと、気が気ではありません。
アイスゆず
2007/12/19 00:33
 お知らせ本当にありがとうございます。
 詳細をまだフォローしていないのですが、原告団が過失責任の追及を全て譲歩したのなら、切ないです。被害者全員をカバーすることはなくても、確かに政府に過失はあり、それは責められるべきだと思ったからです。
 明日はニュースに注目し、書けることは記事にしたいと思います。
birds-eye
2007/12/19 00:57
もうすぐ19日が終わります。原告団は「和解金を減らしても一律救済を」と訴えています。回答期限はあす20日。政治決断がなければ、和解打ち切りです。原告団の体力は限界です。
今日19日のテレビのニュースで、「一律救済する法的な根拠がないとの理由で、政府与党と、法務省で一律救済に反発がある。」と聞きました。また、「原告団は和解金を減らしても一律救済を求めている」と聞きました。

最後に首相の背中を押すのは世論だと思います。
どうか一人でも多くの方に考えて頂きたいです。
アイスゆず
2007/12/19 20:28
 福田首相には決断をしてもらいたいし、彼ならやってくれるんじゃないかと期待しているのですが… いよいよ明日ですか。
 行動力のない自分が歯がゆくはありますが、せめて明日の成り行きを次の一票に生かすことを憶えておきたいと思います。
birds-eye
2007/12/19 21:31
本当は、今日19日中に決断がなければ和解打ち切り、ということだったのです。でも、厚労相から原告に「明日まで待ってくれ」と連絡があったそうです。
(何度も書き込みすみません)
アイスゆず
2007/12/19 22:50
ニュースによると、一律救済のため法案を議員立法で提出する、とのことです。
アイスゆず
2007/12/23 12:17

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