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zoom RSS 失敗考: 諫早百選選出とチャレンジャー事故の“英雄”

<<   作成日時 : 2007/11/21 00:05   >>

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「失敗を振り返る」とはどういうことでしょうか? 
有名なスペースシャトル「チャレンジャー事故」で、事故原因となった部品の開発に携わりながら、事故後に表彰を受けた技術者がいます。


 今日、諫早湾干拓事業の完工式が行われたようです。テレビでも見かけましたが、盛大な式典が行われていたようです。
  『諫早湾干拓事業で完工式』
   イザ!配信(産経新聞)2007.11.20

 その諫早湾干拓事業は、有識者から科学技術関連の『失敗百選』に選ばれたそうです。
  『諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定』
   朝日新聞2007.11.20
Web魚拓
  『国営諫早湾干拓事業による漁業被害』
   失敗知識データベース−失敗百選
(PDF)

 僕はこの問題に詳しくないのですが、まとめると「農地開発のための干拓事業が、環境・漁業に予期せぬ被害を生じたにもかかわらず、公共事業の悪弊として事業が継続された」ということだと理解しています。

 犯された過ちは、きちんと振り返って反省され、将来に生かされることを望みます。まさに先の「失敗知識データベース」の理念だと思います。その点で、この試みを僕は評価したいと思います。

 しかし、失敗を振り返るとは、どういうことでしょうか?
 それを考えるため、もう一つ紹介したいエピソードがあります。
 知る人ぞ知る有名な話のようですが、スペースシャトル・チャレンジャー事故におけるNASA下請け会社の技術者ボイジョリー氏の話です。

 事の概要は、チャレンジャー事故に先立って打ち上げの危険性に気づいたボイジョリー氏が、その延期を求めて上層部に働きかけたというものです。結果的に延期は実現されず、まさにボイジョリー氏が指摘した問題によって7名の宇宙飛行士の命が失われました。
  『スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故(1986年1月)』
   班目春樹 東京大学工学部教授
   講義『社会のための技術』ホームページより

 僕が評価したいのは、ボイジョリー氏のこのときの行動が評価され、後に全米技術者協会から表彰されている点です。『自己の責務を貫いた』という理由によるものだそうです。
  『技術者倫理は何故必要か』
   中村昌允 東京農工大学教授 資料
より(PDF、p.45に関連する記述)

 考えてみてください。目を背けたくなる失敗が行われたとき、それに深く関わっていた人を顕彰することを、僕たちは思いつくでしょうか? あえて偏見的な言い方をすると、日本の風土でそれが許されるでしょうか?
 しかし、ボイジョリー氏の行動は、「彼の立場で事故を防止するなら、彼のように振る舞うのが最善であった」と考えるに足りるものです。彼の振るまいは、結果的に事故が起こったこととは別に、誰かに評価されるべきだったのです。

 誤ったことを正すことと、正しいことを称揚することは、表裏一体であるはずです。真摯に原因に向き合うならば、悲惨な事故であっても賞賛される人は出てくるはずです。
 そのような真摯な反省が、日本で行われた幾多の失敗でも行われることを、僕は強く望みます。

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